今回ご紹介するのは、B’zの『The 7th Blues』という作品です。
この作品はB’z唯一の2枚組のオリジナルアルバムで、ファンから人気の高い曲も多く収録されているアルバムになっています。
しかし、B’zのメンバーが話す“B’zの暗黒時代”にリリースされた作品で洋楽的な要素を前面に出しており、聴く人を選ぶ作品でもあります。
なぜ、B’zは誰からも聴いてもらえるようなキャッチーな曲を揃えたアルバムにしなかったのか。
その理由はちゃんとありました。
ではさっそく、B’zの『The 7th Blues』という作品について詳しくご紹介します☺
B’z『The 7th Blues』について
この作品は、1994年3月2日にリリースされたB’zの7枚目のオリジナルアルバムで、B’zにとって初の2枚組のアルバムでした。B’zの2枚組のオリジナルアルバムは現在(2021年)でも、この『The 7th Blues』しかないのでB’z唯一の作品となっています。
収録曲には『B’z LIVE-GYM 2017-2018“LIVE DINOSAUR”』でも披露された赤い河やB’z20周年の年に開催された『B’z LIVE-GYM Pleasure 2008 -GLORY DAYS-』で披露されたDon’t Leave Meなど、数々の名曲が揃っています。
B’z『The 7th Blues』のチャート記録
『The 7th Blues』はオリコンチャートで3週連続1位となり、2枚組オリジナルアルバムで累計売上160万枚を超える史上初のミリオンセラー、歴代最高の売上記録を達成しました。
B’z『The 7th Blues』のタイトルの由来
特にテーマを考えることもなく、どんどん曲を制作していたみたいで、アルバムタイトルにも特に意味はなくB’zの「7枚目のオリジナル・アルバム」ということで『The 7th』(7枚目)がタイトルになっています。
一応ブルースでよく使われる「7thコード」をもじったものにはなっているそうですが、松本さんが「酔ったときの思いつき」でタイトルをつけたみたいです。
B’z『The 7th Blues』制作過程
「今の活動はレコーディングとツアーだけってシンプルな流れだけど、それってある種、理想ではあったよね」松本孝弘(1995年)
B’zTWELVE■「B’zの・・・B’zのLIVE-GYMにようこそ!」186ページ
当時のB’zのアルバムの制作は、ライブツアーやテレビ番組の出演など仕事の合間で行われることが多かったそうですが、『The 7th Blues』の制作期間はメディア出演が少なくツアーだけだったため、制作に時間をかけられたので曲数も膨らみB’z初の2枚組のオリジナルアルバムになりました。
B’z『The 7th Blues』収録曲
■DISC1
01.LOVE IS DEAD
02. おでかけしましょ
03. 未成年
04. 闇の雨
05. MY SAD LOVE
06. Queen of Madrid
07. ヒミツなふたり
08. Strings of My Soul
09. 赤い河
“自分が生まれた意味”を見つけられないで悩む人のこころの叫びが描かれた曲。
10. WILD ROAD
■DISC2
01. Don’t Leave Me
02. Sweet Lil’ Devil
03. THE BORDER
04. JAP THE RIPPER
05. SLAVE TO THE NIGHT
06. 春
07. 破れぬ夢をひきずって
08. LADY NAVIGATION
09. もうかりまっか
10. farewell song
B’z『The 7th Blues』はB’z暗黒時代を象徴する作品
『The 7th Blues』は当時のB’zとは違うハードロック&ブルージーな作風だったため受け入れない人も少なくなかったみたいです。売上枚数も前アルバム作品『RUN』が210万枚だったので約50万枚減少してしまいました。
また、このアルバムはB’zのお2人が当時を振り返ったときにB’zの”暗黒時代”と話す1994年にリリースされており、B’zの”暗黒時代”を象徴する作品になっています。
B’zの”暗黒時代”ってなに?って気になる方はこちらも合わせてご覧下さい。
B’z『The 7th Blues』はB’zの基本姿勢が決まった作品
「このアルバムの歌はこれからの第一歩になればいいなと思ってる。今回のアルバムの音はこれからガラッと変わることはない音だと思う。新たな基本姿勢ができた気がするから・・・”この姿勢でいきます!”みたいな」稲葉浩志(1994年)
B’zTWELVE■「B’zの・・・B’zのLIVE-GYMにようこそ!」187ページ
「世の中の流行りに順応していきたいと思っていた時期もある。今はこっちが流れを作ってそれに乗せたいなという欲が出てる。このアルバムには僕らの聴いてきたルーツになるようなものが多いでしょ?それを次の世代に伝えていく役目も少しはあると思ってる」松本孝弘(1994年)
B’zTWELVE■「B’zの・・・B’zのLIVE-GYMにようこそ!」187ページ
1994年にB’zのお二人はこのようにおっしゃっています。
つまり1994年にリリースされた『The 7th Blues』は自分たちのやりたい音楽をしようという姿勢の基で生まれた作品みたいです。
しかしそのロックが全面にある作風に否定的なファンもいたので、1994年はB’zとしてターニングポイントの時期になったんですね。
B’z『The 7th Blues』で示したかったこと
『The 7th Blues』で示したかったことについては、2020年の10月31日から11月28日まで毎週土曜日に5週連続で開催されたB’z初となる無観客配信LIVE『B’z SHOWCASE 2020-5ERAS 8820-』の直前に配信されたB’zPARTY会員限定メンバースペシャルインタビューの中でも話されていました。
■そのときのスペシャルインタビューの書き起こしをご紹介します。
インタビュアー:7th Bluesをリリースされるんですけれど、その7th Bluesで1番示したかったことみたいなものはありますか?
松本孝弘:やっぱりB’zがロックバンドに変わっていく様というか、そういうのを世間に初めてぶつけた作品だったんじゃないかなと思いますけどね。今から思うとね。
稲葉浩志:たぶん歌のアレンジとかもこのアルバム結構広がってて。LIVEやる前とかもキー大丈夫かななんて心配もしてたしね。
そういう意味では曲のロックなんですけど、その中でも結構バラエティが富んでて、曲のアレンジメントとかも。そういう意味では難しい曲が多かった。アルバム制作からツアーまで大きなチャレンジだったと思いますね。
B’zの7枚目のアルバム『The 7th Blues』
B’zの7枚目のアルバム『The 7th Blues』は、自分たちのスタイルを表現した作品だったみたいですね。
それ故に一部のファンが離れてしまったり、前作品と比べて売上枚数は減少してしまいました。
とはいえ、『The 7th Blues』はB’zにとって大きなターニングポイントとなった重要な作品ですし、B’zファンからすればB’zのお二人のルーツを感じられる曲が多い嬉しい作品です。
そんなB’zにとっても、B’zファンにとっても欠かせないアルバムです。
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